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2)内航フィーダー輸送における問題点
外貿コンテナの国内における海上輪送(内航フィーダー輸送)は大阪港・神戸港と瀬戸内海を中心とする西日本諸港との間で実施されており、就航船舶1隻当たり100個前後のコンテナが輸送できることから、モーダルシフトの担い手として重要な役割を果たしている。
神戸港では、ポートアイランド及び六甲アイランドに内航フィーダー船専用バースが設置されており、船社はいつでも着岸できるのでダイヤ構成を自由に行うことができる。しかし、現在では内航フィーダー船の着岸バースが外航コンテナ専用バースやコンテナヤードと離れているため、内航バースと外航バースとの間の陸上横持ち輸送が必要な点が問題といえよう。
大阪港では、内航フィーダー貨物量が神戸港ほど多くないこともあって、内航フィーダー船専用バースは設置されておらず、フィーダー船は外貿コンテナバースヘ直付けしている。このため、外貿本船が着岸中は内航船は着岸できず、バースの空くのを待つことになり、定時性の維持が困難な状況である。
現在、神戸港では内航バースと外航バースとの間の横持ち輸送のコストと時間を節約するため、内航フィーダー船専用バースと外航コンテナハースを隣接させる対策や、内航フィーダー船の外航バースヘの直付けを検討している。
大阪港・神戸港と西日本諸港との間の内航フィーダー輸送は、地方港への外航コンテナ本船の寄港増加によって今後は減少することも考えられる。内航フィーダー船社に対するヒアリングにおいても、「今後、輸送量が増加する」と回答されたフィーダー航路はなく、「横ばい」ないしは「減少」となっている。内航船による輸送量が減少し、便数の減少などサービス水準が低下すると、海上輪送からトラック輸送への逆モーダルシフトが増えるおそれもある。

 

 

 

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